千住明作曲 ピアノ協奏曲 「宿命」
 千住明 作曲 ピアノ協奏曲「宿命」 2楽章形式 (ドラマ中の演奏はピアノ:羽田健太郎(いわゆるハネケン)、指揮:小松長生 管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団

ドラマ版「砂の器」で、和賀英良が、三木殺害の直後から、楽想をピアノで弾いて、楽譜に音符と題名−「宿命」−と記しドラマ中絶えず作曲に追われクライマックスで初演され聴衆の大喝采を浴びることになる2楽章形式のピアノ協奏曲である。「砂の器」紹介の項でも触れたが、作曲中は「新しい交響曲」と呼ばれており、初演が迫るにつれ「ピアノ協奏曲」に曲の形式が変わっていった。やはり自らの十八番であるピアノを楽器編成上欠かすことはできなかったのであろう。
 曲はピアノの力強い和音で始まる。続くピアノの華麗なパッセージはベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝(英=Emperor,独=Kaiser)」に酷似している。その後オーケストラ暗く重い旋律を奏でピアノも加わって序奏的部分が終わる。すると木管楽器がやるせない、物悲しい、それでいて感傷的になり過ぎないメインテーマ(主要主題、とでも言ったらいいのか)を奏で出す。この旋律は「宿命」初演コンサート前からしばしば登場し、ドラマを見続けてきた人にはすでに耳に馴染んだものとなっている。
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