
チェコ国民楽派を代表する作曲家。クラシックの作曲家として、確固たる地位を世界において占めてはいるものの、同じスラヴ系を代表するチャイコフスキーに比して人気は劣るか。作風は旋律の魅力、親しみやすさに基盤を置き、その簡潔な旋律ゆえに大規模な管弦楽曲において特に「西洋クラシック」の醍醐味を非欧米圏の人々にもっとも端的に示しうる内容を持つ。
代表作は一般的にはベートーヴェンと同じく9曲ある完成された交響曲のうちでは第8交響曲および第9交響曲「新世界より」のみが挙げられるが、私個人としては第3以降の全交響曲が魅力にあふれていると思う。ほかに、チェロ協奏曲作品104はすべてのチェロ協奏曲中でも最も人気がある曲となっており、この作曲家の存在を後世に主張しうる貴重な曲となっている。「スラヴ舞曲」全16曲はそのおそらくあまりのわかりやすさゆえ定期演奏会でこそ取り上げられないものの、オーケストラのアンコールピースとして定着しているようである。(↓1891年、ケンブリッジ大学より名誉博士号を授与されたドヴォルザーク)
人生の面においては、ごくごく一般的な19世紀の人で、ベートーヴェンやショパン、ワーグナーのように伝記映画にするほどの劇的な人生を歩んだわけではないがそれがまた我々凡人にとって魅力的である。貧しい家庭の出身だが、30台から作品が認められ「音楽をつくる」という人間にとって最も穏やかな仕事で富と名声を得ることができた。晩年は交響曲や協奏曲、室内楽曲といった絶対音楽は書かずにオペラの創作に力をいれそれなりの成果を挙げたが、彼の母国チェコ以外ではあまり浸透していない。この、日本においてはオーケストラ曲の作曲家として認知されながら創作全般をかえりみるとき、交響曲よりオペラを多く書いているというのはチャイコフスキー(交響曲全6曲[マンフレッド交響曲も入れれば7曲]、オペラ10曲)と同じであり興味深い。(交響曲全9曲、オペラ13曲)。
クラシック音楽への誘いとして彼ほど最適な作曲家はモーツァルト、ベートーヴェン、チャイコフスキーくらいで、旋律の魅力と管弦楽法の面白さ、素人でも比較的わかりやすいその巧みさはこの4人中随一ではなかろうか。
代表作 交響曲 ・協奏曲
ルサルカ スターバト・マーテル(悲しみの聖母) ピアノ三重奏曲第3番
レクイエム ピアノ三重奏曲第4番「ドゥムキー」
弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」
弦楽四重奏曲第13番
弦楽四重奏曲第14番
・「我が祖国チェコの大地よ」
・「ドヴォルザーク」(クルト・ホノルカ著、音楽の友社)
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